360ぐるりと回れる操作システムで廃病院の恐怖を描いた脱出ゲーム「恐怖!廃病院からの脱出:無影灯」

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学校や病院という場所は、夜になると途端に怖さを感じる。

日中人が沢山集まる場所だから、人の気配がないことが異常に思えるのだろう。

当然、夜の間人がいなくとも、日が明ければまた人は集まってくる。そんなことは分かっているが、それでも怖い。

であれば、二度と使われなくなった学校や病院は、さらに怖かろう

実際それはその通りで、ホラー映画やホラーゲーム、怪談とホラー系のコンテンツで廃校舎や廃病院といった舞台は王道だ。


今回紹介するゲームも、そんな王道の怖さを追求した脱出ゲーム/「恐怖!廃病院からの脱出:無影灯」だ。

ココがWuah!「恐怖!廃病院からの脱出:無影灯」の怖さは、廃病院をの部屋を360°描いた臨場感

「恐怖!廃病院からの脱出:無影灯」は、タイトルの通り廃病院を舞台にした脱出ゲーム。

廃病院というホラー王道のロケーションを、モノトーンのビジュアルで描いている。

もうこの時点で怖い。そりゃ怖い。しかし、それだけじゃない。

本作はフリックでくるくると360°、部屋を見回すことができる。これが怖いのだ。

一般的な脱出ゲームでは、場面から場面へ移動する際、ボタンを押す。すると背景がパッと切り替わる。これはこれでいい。ゲームとして何の問題もない。

しかし、ゲームとして何の問題もないということは、ゲームを意識してしまっているということでもある。

何せ現実の風景はパッと切り替わらない。後ろを向くにしても、360°、ぐるっと回転するように移動するのだ。

つまり、背景がぐるっと回転して移動する本作は、現実に近い。臨場感がある。だから、怖い。

しかも、霊現象が後ろに発生するといった、360°回転を活かした怖さもある。

怪談の「メリーさん」もそうだが、後ろに霊現象が生じるというのは怖い。

死角に立たれる怖さと、良くないことが起きるとわかっていて振り返らなければならない怖さで、二重に怖いのだ。

ゲームシステムは脱出ゲームとしてオーソドックス

本作のゲームシステムは、タップで風景を調べて謎を解くための手がかりやアイテムを入手し、謎やパズルを解いていくというもの。

脱出ゲームとしてオーソドックス、王道の作りと言える。

謎やパズルと書いたが、基本的にはホラー演出をメインにしているため、難易度は低い

なので、謎解きを求めて本作をプレイすると、若干がっかりするかもしれない。

ちなみに本作で若干残念なのは、ホラー演出が一瞬の驚かしに寄ってしまっていること。

霊が出てきて、それで終わってしまうので、襲わないんかい!主人公何ともないんかい!と思わず突っ込んでしまう。

ホラー演出によって主人公に何の影響も出ていないという点は「ゲームだからしょうがないよね」で済ませてもいいところなのだけど、グラフィックの臨場感が高いだけに、逆にリアリティがないと感じてしまうんだよね。

まあ、それでも十分怖いんだけども!

基本情報

タイトル

恐怖!廃病院からの脱出:無影灯

デベロッパー

ザイザックス株式会社

配信会社

ザイザックス株式会社

対応ハード

iOS/Android

価格

【無影灯】【脱出ゲーム】

この記事の作者

田中一広

ホラーゲーム作家。企画・シナリオ・グラフィック・楽曲・プログラムまでトータルでゲームを作る一方、ライターや講師としてゲームを伝える。もちろんゲーマーとして遊びもする人生ゲーム漬け野郎。妖怪博士。株式会社Wuah!地獄の代表取締役。

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