復活!時限脱出ホラー・封印!!ガラケー公式サイトだった初代企画振り返り
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Twitterで告知した通り、Wuah!で次にリリースするゲームは「封印-時限脱出ホラー-」!
「時限脱出ホラー・封印」シリーズはかなり印象深く、付き合いも深いタイトルなので、いずれは封印の封印を解きたいと思っていたところ。そしてヘイセイが終わる今年こそ、その年に相応しいに違いない!
「時限脱出ホラー・封印」シリーズをリリースしたのは9年前。つまり約10年!なんだかんだいって10年というのは短い年月/ではなく、ニンテンドーのハードで言えば10年前の現役はWii。まだ3DSすら出ておりません。
そんな中「時限脱出ホラー・封印」は、ガラケー向けの公式サイトとして作られたのでした。というかオレがそのように作った。
今では携帯電話ゲーム=スマホゲーム。で、スマホゲームといえば、最近は個人でフツーに作って売れちゃう時代。AppleのApp StoreやGoogle Play、さらにはSteamなんかを覗けば、いくらでも個人制作のゲーム=インディゲームと出会えるハズ。
ただ、10年前のガラケー向け公式サイトは、そうではなかった。NTTドコモやKDDI(AU)、ソフトバンク(その前はボーダフォン)といった通信キャリアに対して企画提案を行い、時にはプレゼンをして企画が承認されなければ、作って世に出すことなど叶わなかったのだ。
最近、Appleの審査が厳しい、理不尽にリジェクト(=アプリの公開や更新を却下すること)される…という話があるけれど、通信キャリアの厳しさはそらもう凄まじい凄まじい。こういう機能がなきゃダメ、ああいう機能がなきゃダメ、挙句の果てには企画書を1日で修正して再提出といった要求まであり、通信キャリアへの企画を通せるということは、一種のステータスだった。そんな時代だ。今の自分があるのは、あの時代にキャリア公式サイト専門のプランナーとして働いた実績があるからだろうと思う。…とはいえ、もちろん今だってリジェクトされるのはツライ…。
どのような企画書で企画を通すのか、当時の企画書が残っているので公開したい。権利的な問題はクリアできている…というか、今も当時も、Wuahのゲームはオレが一人で企画書を作り、プレゼンし、グラフィックを作り、システム開発も行っているので、権利者はオレ一人だけなのでまったく問題ナッシング!
当時といえば、ガラケー公式サイトの成熟期。正直、有料の公式サイトよりも無料の勝手サイト(=通信キャリアの承認を受けず、独自に提供するサイト)の方へ利用者が移りつつあった時代だ。まだガラケーソーシャルゲーム市場は立ち上がっていないが、FLASHミニゲーム提供サイトとして、モバゲーがアバター販売で儲けていたころ。
なので、脱出ゲーム/配信サイトというのは複数存在していた。
ただ、時間制限要素を持った脱出ゲームというのは見当たらなかったので、タイムリミットや心霊写真の収集、実績要素といったものを持たせた上で、ホラー専門ということで差別化した。そのころからオレはホラー専門ってわけだ。
他の公式サイトと違い、Wuahの場合は、なんといってもオレ一人が作る。なので、ボリューム面がどうしても弱点になってしまう。タイムリミットという要素は、その点でも都合がよかった。
クリア時間を競うタイムアタック要素を入れて1ゲームを何度かプレイ可能にすれば、ボリューム面をカバーできるから。
利用者が増えて、一人では回せなくなったら外部クリエイターを使おうと思っていたので、運用体制には外部クリエイターの文字が。でも実際には一人で全部作っていました。
App StoreにしてもGoogle Playにしても、アプリをアップロードする際に表現ポリシーの入力欄があるけど、公式サイトとして企画を作る場合は自社で表現ポリシーを定めて説得する必要があった。こちらはその表。
脱出ゲームの更新頻度は月2回、新作を公開するというスパンだった。リリース当初用意していたゲーム数は10本。
操作方法のページ。ガラケーはタッチパネルじゃないのでボタン操作。テンキーのボタンを使って矢印カーソルを動かし、決定ボタンで探索やアイテム使用。アイテムの選択は#ボタンと*ボタン。
タップとスワイプでプレイできる最近の脱出ゲームからすると、地獄/の要素な操作性の悪さだったと思う…。まあしょうがない。タッチパネルとかないからね!
他の脱出ゲームとの差別点としてタイムリミット要素以外に盛り込んだのが「心霊写真」と「称号」。
「心霊写真」は、アイテム「カメラ」を使って写真を撮ると、撮影した場所によっては心霊写真が撮れるというコレクション要素。
「称号」は、Xboxの実績やプレステのトロフィーと同様のもの。ある条件を達成した上で脱出ゲームをクリアすると手に入るコレクション要素。
サイト全体の設計となる画面遷移図はこんな感じで作られていた。企画書を作る時点で、HTMLによるモック(プログラム的には動作しないが、完成版同様の見た目を持ったバージョン)が作られているので、実際の利用感がわかるようになっている。
で、実際に提供していた完成バージョンはこんな感じ。Flash Lite1.1によって脱出ゲームが作られている。
このゲームが、10年を隔ててどうなったかといえば…。