ゴミ捨て場【ぞくっ、とする怖い話】

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実話怪談を収集していると、中にはやや短めの逸話も存在する。

今回はそんな短めの逸話からひとつ紹介したい。

?さんの家の近所にあるゴミ捨て場での話だ。

ある日、ゴミ捨て場でゴミが散乱しているのを見かけてから、ちょくちょくゴミの散乱を見かけるようになったという。

どうやら、野良猫がゴミ捨て場を荒らしているらしい。

隣の家に住むおしゃべりな奥さんによると、誰かがごみ袋をしっかり封しないで捨てているせいとのこと。

封をしないで捨てるから、匂いで野良猫が寄ってきているのだという。

?さんはそんなものかと気に留めていなかったが、ある日ゴミを捨てに出ると、確かに匂う。

明らかに、ゴミ捨て場に捨ててあるゴミ袋から漂っている。

一度匂いを感じてしまうと、それがどこから漂ってくるのか、元を突き止めたくなってしまう。

?さんはゴミを捨てるそぶりを見せながら、それとなく他のゴミ袋をチェックしてみた。

すると、すぐに見つかった。

しっかり封をしていないゴミ袋が、他のゴミ袋の前に、割と大胆に捨ててある。

しかも、市町村指定の黄色いごみ袋ではない。

今では使われていない、黒いごみ袋だ。

思わずIさんは、袋の中をチェックしてしまったという。

すると、その中には……ところどころ赤い液体にまみれた、長い髪がギッシリとつまっていたそうだ。

それ以降、その家から引っ越す時まで、Iさんはゴミ袋の話題に一切触れなかったという。

【怪談】【怖い話】

この記事の作者

田中一広

ホラーゲーム作家。企画・シナリオ・グラフィック・楽曲・プログラムまでトータルでゲームを作る一方、ライターや講師としてゲームを伝える。もちろんゲーマーとして遊びもする人生ゲーム漬け野郎。妖怪博士。株式会社Wuah!地獄の代表取締役。

この記事が含まれるコーナー

ぞくっ、とする怖い話

それは、誰かが体験した物語。
背中がぞくっとする、本当にあった怖い話…。

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