後悔【ぞくっ、とする怖い話】
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Hさんが、彼氏と別れたすぐ後の出来事だ。
彼氏と別れた原因は、彼氏の浮気だった。にもかかわらず彼氏は別れることを相当嫌がった。
土下座して謝り、泣きわめき、最終的にはHさんに「自殺して後悔させてやる!」とまで言い放ったらしい。
しかしHさんは決して折れることなく、二人は別れた。
その数日後、Hさんが一人、夜道を歩いていた時のこと。人通りが少ない道で灯りも少なく、痴漢が出そうな道だったそうだ。
突然、みしっ…ときしむような音が聞こえ、息が苦しくなったという。
呼吸ができない…。
最初は痴漢に襲われたのかと思ったが、息が苦しい以外何かされる気配はない。いや…その前に、体に触れられているという感覚すらない。
何かの病気だろうか…?
パニックになったHさんは、助けを求めて近所に住む友人の家へと向かった。
ドアを開きHさんを迎えた友人は、驚いて声を上げた。
「何?まさか首吊ったの?」
友達から鏡を借りて首を見ると、縄の模様のアザがくっきりついていたという。
もしかすると…。
Hさんの頭に一瞬浮かんだのは、元彼のセリフだった。
「自殺して後悔させてやる!」
元彼の身に何かあったのかもしれない…。
しかしHさんはすぐその考えを振り払った。
それ以降Hさんは、特になんの異常もなく過ごせているという。
「彼氏のことはまったく後悔していません」だそうだ。