金縛り【ぞくっ、とする怖い話】
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Oさんは、子どものころからよく金縛り/にあっていた。
心霊現象とはいえ、何度も経験しているとやはりそれなりに「慣れ」てしまうという。そんな金縛り慣れしたOさんでも、怖かった金縛り経験があるそうだ。
その夜、Oさんが自分の部屋で眠りにつこうとした時、嫌な感じがした。いつも金縛りに遭う時に受ける感覚。だから、その夜もきっと金縛りに遭うだろう…寝る前からそう意識していたという。
はたして、Oさんは深夜不意に目覚めた。
いつも金縛りに遭う時と同じ。いつもの通り、体が動かない。
…金縛りだった。
ただ…いつもと違い、背中に息遣いのようなものを感じる。Oさんは目を閉じて、心の中で「早く終わって」と祈ったという。しかし…いつもと違うのはこれだけではなかった。
いつも金縛りの時は、まぶた以外体が動かないというだけだった。…しかし、その夜は違った。
体が動く。
…自分の意思ではない。Oさんではない何者かに操られるように、勝手に体が動いていくのだ。閉じていた目が強引に開いていき、Oさんの体が逆方向へ…寝返りを打つように動いていく…。
このままだと、背中にいる何かを見ることになる。怖い…Oさんは心からそう思った。しかし体が言うことを聞かない。
Oさんは心の中で悲鳴を上げた。「うああああああああああああああ…!」
すると心の中だけでなく、実際に悲鳴を上げていたことに気付いたそうだ。そのことに気付いた瞬間、体が動かせることにも気付いたという。
電気をつけ、周りを見回してみたが、誰もいない…。
怖かったので、その後朝まで電気をつけっぱなしにし、ずっとテレビゲームをして過ごしたそうだ。