第六夜-スズメのつづらが開く夜【夜探偵フクロウと謎解き暗夜】

[投稿日： 2020/06/26]

第一章・スズメの魔術

昭和時代に稀代の奇術師と称され一世を風靡した、宙舞 鈴女（そらまい すずめ）をご存知だろうか？

彼女の十八番とされたのが、脱出トリック。

自らの名前である「すずめ」を、お伽話の「舌切りすずめ」にかけて、小さなつづらと大きなつづらを使った脱出トリックさ。

手かせ、足かせをはめた状態で自分を「巨大なつづら」に閉じ込め、つづらが開かないよう鎖でグルグル巻きにして南京錠で施錠。しかもそのつづらには時限爆弾まで仕掛けられる。

一方の「小さなつづら」の方は、スーツケース程度の大きさで、人が入れるほどの大きさには見えない。

しかし、彼女はその、小さなつづらの方から出現するんだ。巨大なつづらが爆発し、記述が失敗したかに思えた瞬間、小さなつづらの中から体を折り曲げた彼女が出現。観客は大フィーバーさ。

そんな、宙舞 鈴女が亡くなった。

第二章・スズメの遺産

…いや、亡くなったと言っても、いつものように事件性があるわけじゃない。

彼女は昭和に活躍した奇術スター。

なので、令和の現在はさすがに高齢でね。病気で亡くなったのさ。

病気に見せかけて殺されてた…なんてこともない。これについては事件性ゼロだよ。

…ただ、もちろん、事件が起こらなかったわけじゃない。彼女は、とある遺産を遺して、天に召されたんだ。

その遺産とは、「つづら」。しかも、1つじゃない。

彼女が奇術に使っていたのと同様、大きなつづらと小さなつづらをひとつずつ、遺していったんだ。

周囲は大騒ぎさ。

やれ金塊が入っているだ、やれ巨額の遺産と遺言状が残っているだ…と、口々にわめきたてた。

しかし、しばらくするとその騒ぎも収まったんだ。

…なぜかって？

つづらが開かなかったからさ。大小どちらのつづらにも、暗号が設定されていたのさ。

第三章・スズメの暗号

つづらに仕掛けられた暗号は、数字の組み合わせ。

大きなつづらに仕掛けられた暗号と、小さなつづらに仕掛けられた暗号は、それぞれ異なっている。

そして、暗号の入力を一度でも間違えば、つづらは永久にロックされる。

え？　つづらなんて壊してしまえばいいじゃないかって…？

残念だけど、それはできない。形状こそつづらなんだけど、材質も構造も、頑丈な金庫なんだ。

実は、ここまでの情報は、宙舞 鈴女みずからが、手記に残していた。

もちろん、手記には暗号の答えそのものは書かれていない。

…ただ、ヒントだけは載っていたよ。

そのヒントとは「大きなつづらは大きな数字で、小さなつづらは小さな数字で開く」というもの。

どうやら、2つの数字をそれぞれ組みかえることで鍵が開くようだ…。

なお、2つの数字を混ぜる必要はないようだ…。

その数字とは、「624915」と「715816」。

どちらかが大きなつづらの暗号の答えに繋がっていて、どちらかが小さなつづらの暗号の答えに繋がっている。

もちろん、どちらが大きなつづらで、どちらが小さなつづらなのかは分からない。

読者への挑戦

さあ、この暗号を解読して、2つの金庫を見事開いてほしい。

もちろん、大きなつづらを開くための暗号と、小さなつづらを開くための暗号、両方とも回答する必要があるよ。

お伽話の「舌切りすずめ」では、つづらを誤って開けた時、中から魑魅魍魎が出てきたけど…このつづらの中には、何が入っているんだろうね？

もし余裕があるなら、つづらの中身も予想してほしい。

答えを明かすのは一週間後…。

…一週間の間、知恵を絞って答えを考えてほしい。

答えを明かすのは一週間後…正しさが示されるのは一週間後の夜だよ…。