ひだる神
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妖怪として知られるひだる神
「だるい」という言葉の語源になったとされる妖怪。
地域によって「ダリ」、「ダル」などの名で呼ばれることも。

山道などを歩いている人間に空腹感をもたらすとされており、ひだる神に襲われた人間は、飢餓感や疲労感によって動けなくなり、場合によってはそのまま死んでしまう。
ひだる神に対抗する手段は「食べ物」。
充分な食料を持ち歩き、疲労に応じて口にすることで、ひだる神を避けることができる。
現代からすれば空腹感そのものともいえるが、ひだる神が転じて「ひだるい」=「ひもじい」という言葉にも繋がっているため、まさしく空腹感の化身といっていい。
そもそもひだる神は、餓死者や変死者の霊と考えられていた。
死んで祀られることなかった餓死者や変死者が恨みによってひだる神となり、他人にも空腹感を味わわせようとしているのだという。
百鬼脱出行のひだる神
今回の百鬼脱出行で登場した「ひだる神」は妖怪として伝わるひだる神とは若干性質が異なっていた。
四方亭ザブトンによれば、「ひだる神」は人の生気を喰らっているのだという。
確かに、空腹感も疲労感も、生気と密接に絡んでいる。
そもそも現代日本では、よほどのことがない限り、飢餓感を覚えるほど食べ物に困ることはないといっていい。
このため、「ひだる神」が、もし逸話として伝わるそのままの妖怪だったなら、現代日本に居場所はほどんどないといえるだろう。
しかし、人間の生気は空腹感や疲労感だけに繋がるわけではない。
夢がかなわないのではないかという不安や、学校や職場の人間関係に溶け込めないストレス、パワハラや過労といったネガティブなものは、最終的に人の生気を奪っていく。
今回の部屋の主だったパティシエを目指していた人物も、「ひだる神」によって生気を奪われ、夢を目指して生きる力をなくしてしまった。
そして、その状況から「ひだる神」を追い払ったのは、「食べ物」ではなく「太陽の光(を帯びたお札)」。
ただいずれにせよ、人が元気に生きていくためにはしっかり食べて栄養を採り、太陽光を浴びて運動することが重要だろう。
もちろん、精神的に疲れた際にはゆっくりと休養を取ることも必要だ。
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