悪夢の中をもがいて逃げるような不気味な恐怖!「IdentityV」

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何かから逃げる夢を見たことがあるだろうか。

逃げても逃げても追いかけてくる何者か。

それが何かもわからない。でも逃げる。

時に、夢だから走っても走っても前に進まないなんて不条理も起こりうる。

そんな感覚の恐怖が味わえるのが「Identity V」。

ココがWuah!「Identity V」の魅力は悪夢の中でもがくような不気味な怖さ

「Identity V」はPCゲーム「dead by daylight」をモバイルに向けて翻案したゲームだ。

4人の生存者が協力し、襲いくる殺人鬼から逃げる…というメイン部分は一緒。もちろん、殺人鬼として生存者を捕らえるためにプレイすることもできる。

生存者としてプレイする場合はマップ中にある通信機を起動し、ゴールを開いて脱出しなければならない。

一方、殺人鬼側でプレイする際は、生存者達を捉えて処刑すればok。

大きな違いはヴィジュアル面。「DbD」が「13日の金曜日」や「ハロウィン」と言ったスプラッター映画の世界観を再現しているのに対し、「Identity V」は、ティムバートン監督作品のような、ダークファンタジー的な不気味な世界観を描き出している。中でも瞳にボタンのついたキャラクターデザインは、「コララインとボタンの魔女」のようだ。

処刑も実際に殺害する「DbD」に対し、「Identity V」ロケットのついた椅子にくくりつけて飛ばすというものになっている。

そして、このことが「DbD」と「Identity V」の怖さを分けているように思う。

「DbD」が追われる怖さなのに対し、「Identity V」は逃げる怖さのように思うんだ。

それはつまり、悪夢の中を逃げる、もどかしい怖さ

恐怖を補強するスマホの操作感

もしかすると、スマホの操作であることがこのもどかし怖さを補強しているのかもしれない。

PCと違いスマホでは、操作している実感が少ない。タッチパネルで、ボタンを押す物理的な感覚がないから。

だから、逃げても逃げてもスピードが上がらない悪夢のようだ。

ただ誤解のないよう書いておくと、Identity Vの操作システムはすこぶる良好。スマホでも違和感なくプレイできる。操作性は非常にいい

伝えたいのは、「DbD」からホラー性をそぎ落とした一般向けゲームのように見えるかもしれないけど、実際には怖さの質が違うんだぜということ。

スマホの気軽さだけでなく、悪夢のような不気味さを味わいたいなら、「DbD」より「Identity V」を選ぶ理由があると言ってもいいだろう。

基本情報

タイトル

Identity V

デベロッパー

NetEase Games

配信会社

NetEase Games

対応ハード

iOS/Android

【IdentityV】【非対称対戦ゲーム】

この記事の作者

田中一広

ホラーゲーム作家。企画・シナリオ・グラフィック・楽曲・プログラムまでトータルでゲームを作る一方、ライターや講師としてゲームを伝える。もちろんゲーマーとして遊びもする人生ゲーム漬け野郎。妖怪博士。株式会社Wuah!地獄の代表取締役。

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