穏やかだが不安を感じさせるモノクロームの世界を残酷に進め!「語らない」スタイルが特徴のホラーアドベンチャー「LIMBO」
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いかにも不安感をあおる、不気味な雰囲気で恐怖現象が起きる…というのはもちろん怖い。
しかし、明らかに恐怖現象など起きないだろう…という凪のような状態から恐怖現象が起きるというのも怖い。ギャップの怖さがある。
これが絶妙に作用しているのがシリーズ第一作目となる「ひぐらしのなく頃に 鬼隠し編」だと思う。
いかにも美少女ゲーム的な和気あいあいとしたノリがあるからこそ、ギャップによって後半のホラーめいた展開の恐怖が引き立つ。あれは怖い。
今回紹介する「LIMBO」もまた、そんな雰囲気を持ったゲームだ。
ココがWuah!「LIMBO」の怖さは、穏やかな中に漂う残酷さにある
「LIMBO」は、横スクロールのホラーアドベンチャーゲーム。
影絵のような主人公が、モノクロームで描かれた背景の中を、パズルを解きながら進んでいく。
背景にはぼかしがかかっていて、とても柔らかく、穏やかな印象だ。
しかし、穏やかなのにどこか、不安感を感じさせる。
不安感を煽っているひとつは、孤独感だ。この世界には、誰もいない。主人公ただ一人。孤独なのだ。
さらに、木や草の生え方、枯れ方がどこかおどろおどろしく、不気味にも見える。
だから、穏やかでやわらかなグラフィックなのに、どこか居心地が悪い。
本作のタイトルを考えれば、この居心地の悪さも納得ができる。
「LIMBO」とは、死亡した人間が地獄/に行く前に留まる場所のことを言う。
もちろん、主人公のいる場所が「LIMBO」とは限らない。
本作は一切言葉による説明が省かれているからだ。
プレイヤーは、背景やギミック、登場するキャラクターといったものから本作のストーリーを自分で解釈しなければならない。
ただひとつ、主人公が妹を探してこの場所に入ったということは明らかだが、そこから先はすべて我々の解釈に任されているのだ。
こうした見せ方も、不安定さを醸し出す要因のひとつだろう。
そして、穏やかだが不安感を抱かせる世界を進んでいくと、待っているのは凶悪なトラップだ。
尖った杭が埋め込まれた穴、鋭いトラバサミ、巨大なクモの化け物…。
いずれも、接触すると主人公は即死。
しかも、血を吹き出しながら体がバラバラになるというむごい演出付きだ。
このギャップ感が恐ろしさを煽ってくる。間違いなくここは地獄に近い場所なのだと思わせてくれる。
そして、トラップを超えるためにも、こうしたトラップを利用する。
ロープを活用するためロープの先端についている死体をトラバサミで破壊したり、クモの化け物の足をトラバサミで破壊したり…。
これがまた、残酷さを引き立てているように思う。
アクションゲーム的な操作だがアクション性はさほど高くない
プレイヤーが行える基本的なアクションは、左右の移動に加えてジャンプ。
また、船や台車、トラバサミなど、動かせるものに接触した場合、左右に動かすことが可能だ。
一見アクションゲーム的な操作に思えるが、一般的なアクションゲームで求められるような、いわゆるアクション性は求められない。
どういう操作をすればトラップを突破できるか?何をどこに動かせばいいか?というのがゲームのメイン。
なので、パズルゲームに近いプレイ感だ。
時間をかけてプレイすれば先に進むことができるので、こうした不気味な雰囲気が好きという人や、アーティスティックな、「多くを語らない」タイプの作品が好きという人にオススメしたい。
基本情報
タイトル
LIMBO
デベロッパー
Playdead
配信会社
Playdead
対応ハード
PC/iOS/Android
価格
iOS
480円
Android
593円
Steam
980円