「モンハンがいつでも気軽に携帯で遊べる!」なんて期待しなければ、そこそこ楽しめるボス対戦アクション。『モンスターハンター Dynamic Hunting』!

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ヒャッハー!KarzZombieだぜ。

ファミコン時代には、ゲームセンターのゲームからファミコンにゲームが移植され、移植の劣化具合が凄いことになっててビックリ!ってのがあった。

例えば、「源平討魔伝」。

「源平討魔伝」は、平家の一人平景清が蘇り源頼朝を倒すというアクションゲーム。

ステージが3タイプに分かれており、ミニキャラを動かすジャンプアクションがメインの面、ミニキャラを八方向動かす移動がメインの面、ビッグキャラを動かす剣撃バトルがメインの面という構"成をもっているゲームだ…が、ファミコンに移植された際には、なんとボードゲームになっていた。

ボードゲーム…サイコロを振って、出た目の分だけ動かして…的なアレだ。

それから「スプラッターハウス」。

その名の通り、ホラーな主人公が、ホラーな敵を倒していくアクションで、敵を倒した時の血まみれ感がまさにスプラッターなゲームだった。

…が、ファミコン版では、アクションゲームでこそあるものの、2頭身にディフォルメされたコミカルなキャラが、同じくディフォルメされたコミカルなキャラを倒す…という変わりよう。

ファミコンとゲームセンターの基盤とではハードウェアのスペックが違いすぎるし、遊ぶ際の環境も異なる、当然ユーザー層も異なるので、ファミコンに合せてカスタマイズすることは必要といえる。

だが、タイトルが同じなんだし、やっぱ客側からすれば、「えええ〜〜〜」ってなるよな。

「ディ●ニーランド」が日本に来たっていうからネズミやらアヒルやらを期待して行ってみれば、日本版はお国柄に合せてキャラを全員忍者にしてみました…つったら、まあクレームの嵐になっても致し方あるまい。

…もちろん俺は忍者の方が嬉しいがな!

さて、今日紹介するのは、期待していた方も多いだろう、『モンスターハンター Dynamic Hunting』。

「モンスターハンター Dynamic Hunting」

『モンスターハンター Dynamic Hunting』は説明が不要な程国民的ヒットした、ハンティングアクションゲームだ。

「モンスターハンター Dynamic Hunting」

プレイヤーはハンターとなり、村から依頼を受注して、様々なモンスターを倒す。

モンスターを倒す際にフィールドの様々な場所から素材を採取し、または倒したモンスターから素材をはぎ取り、それらの素材を使って新たな装備を作り、より強くなる。

ゲームプレイにあたって、最大4人まで協力プレイができるということが本作のメインだ。

モンスターは非常に強い。

一人では手に余るほどの強さを持つモンスターもいる。

こうしたモンスターに対して、協力し、或る者はモンスターを引きつけ、或る者は罠をしかけ、或る者は回復し、或る者は直接攻撃する…そして、倒す…これがおもしろみといえる。

「モンスターハンター Dynamic Hunting」

…さて…。

話は変わるが、冒頭のファミコンへのゲーム移植同様、iPhoneへのゲーム移植にあたっては様々な部分が変更されることが多い。

例えば、コンシューマーゲーム機の操作はコントローラーで行うが、iPhoneにはコントローラーがないので、タッチパネルでもできる操作に変更する。

例えば、コンシューマーゲーム機のスペックはiPhoneとは異なるので、iPhoneでも動くレベルまで仕様を変更する。

例えば、コンシューマーゲーム機は落ち着いた場所でじっくり遊ぶことが多いが、iPhoneは待ち時間等に片手で軽く遊ぶことが多いので、ゲームシステムを変更する。

…といった感じだ。

「モンスターハンター Dynamic Hunting」

本作、『モンスターハンター Dynamic Hunting』も、コンシューマーゲーム機からiPhoneに移植するにあたり、様々な変更がされている。

パッと目につくのは、操作のタッチパネル対応及び簡略化だ。

操作は、一本指でのタッチ、スライド、または二本指でのタッチ、スライドによって行われる。

一本指でタッチ、スライドする場合には攻撃、移動。

二本指でタッチ、スライドする場合には回避行動が行われる。

「モンスターハンター Dynamic Hunting」

また、大きな部分での変更として、ゲームシステムが変更されている。

いってしまえば、ハンティングゲームから、ボスとの対戦バトルゲームへと変更されている。

先ほどの操作を駆使し、基本的にモンスターの攻撃を回避→回りこんで攻撃を繰り返してモンスターを倒せばステージが進んでいく、という作りだ。

コンシューマーゲーム機版「モンスターハンター」では、火山や樹海といった広大なフィールドを自在に移動し、素材を採取し、罠をしかけ、モンスターを追い詰める。

一方『モンスターハンター Dynamic Hunting』では基本的にフィールドはボスモンスターと対決する1フィールドに限定される。

マップのみ着眼すれば、コンシューマーゲーム機版「モンスターハンター」の闘技場マップだと思えばいいだろう。

「モンスターハンター Dynamic Hunting」

プレイした限りでは、つまらなくはない。一本指での攻撃と二本指での回避という操作に若干戸惑いはあったが、慣れてしまえば、おもしろさを感じられる。

だが、「モンスターハンター」としてのおもしろさではなく、「パンチアウト」のようなボクシングゲームを遊んでいるようなおもしろさだ。

このゲームのおもしろみの変更を、「おもしろけりゃイイや、iPhoneではこれがベストだよ」と捉えられるか、あるいは「おもしろいけど、これはモンハンじゃなくね?」と捉えるかによって、本作の評価はかなり変わるだろう。

「モンスターハンター Dynamic Hunting」

残念ながら俺は、本作をプレイして「これで気軽にいつでもモンハンができるぜ!やった!!」とは思わなかった。

モンハン「風」ゲームでいいのなら、モンハンのキャラを使ったソーシャルゲームを、無料で出してくれた方が、期待しない分まだ良心的なように思える。

いくら良くできたボードゲームだからって、ファミコン版「源平討魔伝」は「源平討魔伝」じゃないよね、と思う次第なワケだぜ…。

基本情報

タイトル

モンスターハンター Dynamic Hunting

デベロッパー

CAPCOM

【アクション】【モンスターハンター】【モンハン】【カプコン】【源平討魔伝】【スプラッターハウス】

この記事の作者

田中一広

ホラーゲーム作家。企画・シナリオ・グラフィック・楽曲・プログラムまでトータルでゲームを作る一方、ライターや講師としてゲームを伝える。もちろんゲーマーとして遊びもする人生ゲーム漬け野郎。妖怪博士。株式会社Wuah!地獄の代表取締役。

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