老婆【ぞくっ、とする怖い話】

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Nさんには、忘れられないできごとがあるそうだ。

その夜は、しとしとと雨が降っていたという。Nさんは車を運転していた。

高速道路だったが、雨と夜の闇とで視界が悪いため、スピードを抑えて運転していた。

ふと、左のサイドミラーに後ろから近づいてくる気配を感じた。Nさんの車が遅いから追い抜こうというのだろう…。

…だが…よくよく考えると、Nさんの車は一番左の車線を走っている。左のサイドミラーに車が映るはずはない

なら、この気配は何だ!?

Nさんは左のサイドミラーに目をやった。

すると…

そこには、ずぶぬれのまま、異様なスピードで走る老婆の姿があった。Nさんは恐怖からアクセルを踏み込んだ。

それからどこをどう走ったのかは覚えていないらしい。

気付くと、パーキングエリアにいたという。

そこで車から降りたNさんは、あることに驚いた。

雨など、降っていなかった。車のどこを見ても、濡れた形跡などなかったそうだ…。

【怪談】【怖い話】

この記事の作者

田中一広

ホラーゲーム作家。企画・シナリオ・グラフィック・楽曲・プログラムまでトータルでゲームを作る一方、ライターや講師としてゲームを伝える。もちろんゲーマーとして遊びもする人生ゲーム漬け野郎。妖怪博士。株式会社Wuah!地獄の代表取締役。

この記事が含まれるコーナー

ぞくっ、とする怖い話

それは、誰かが体験した物語。
背中がぞくっとする、本当にあった怖い話…。

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