ハサミ【ぞくっ、とする怖い話】
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不思議なことに遭遇しやすいというTさんの話だ。
Tさんが小学生のころ、こんな夢を見た。
学校の一室にいる。どうも学校は何者かに占拠されていて、危険なようだ…。
Tさんは恐怖から、その部屋を出た。
おそるおそる廊下を歩いている…と、不意にジリリリリリ…!というベルの音。バタバタバタバタ…!と、防火扉が閉まっていく。
逃げることができないのかな…Tさんがそう思った次の瞬間…。
…目の前にハサミを持った血まみれの人間が現れ、Tさんの手をハサミでザクリ…と刺した。血まみれのその人物は…学校の友達だった。…そこで、目が覚めた。
恐ろしい夢だけど、所詮は夢。Tさんはそう思ったという。
…その数日後のこと。
図工の授業中、Tさんは、家に忘れてきてしまったハサミを借りようとして、友達に声をかけた。血まみれ姿で夢に登場した友達だ。
すると…、
友達からハサミを受け取ろうとする瞬間、友達の手が滑ってしまい、Tさんの手にハサミが刺さった。
その場所は、夢でハサミが刺さった場所とまったく同じだったという…。
その傷は20歳を越えた今でも残っているが、同じような夢を見ることは二度となかったそうだ。