死にゆく人をただ見るしかできない傍観者の恐怖!「Alien:Blackout」

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「怖い」という感想を抱くのはもっぱら被害者だと思いがちだけど、実はまったく傍観者であっても、傍観者なりの「怖さ」というのがある。

それを描いた傑作小説がジャック・ケッチャムの「隣の家の少女」で、アレはクレイジー毒親に虐待される想い人を、何もできずにただ傍観者として見殺しにしてしまう恐怖を描いていた。

で、そんな傍観者の恐怖をゲームでも味わえるのが「Alien: Blackout」だ。

ココがWuah!「Alien: Blackout」の魅力は何もできずに見るしかできない傍観者の恐怖

「Alien: Blackout」は映画「エイリアン」と「エイリアン2」の間を描いた作品で、すでにリリースされているゲーム「Alien: Isolation」の続編でもある。

主人公は、映画でシガニーウィーバーが演じたリプリーの娘アマンダ

プレイヤーはアマンダとして、宇宙ステーションの取り残されたスタッフとともに脱出をはかる。

で、その脱出劇。実際に探索したり移動したりするのはスタッフたちであり、アマンダは指示を出す役目。

なので、エイリアンに襲われるのも基本はスタッフたちだ。

ここの表現が非常に見事。

指示出しが悪ければスタッフは犠牲に!マジで死んじゃうデスマーチ

ゲーム的にプレイヤー行うことは、マップを見ながらスタッフ達に移動先を指示すること。

もちろんマップ内にはエイリアン(ゼノモーフ)がいる。そして、どこにいるかは大体しかわからない

カメラの撮影範囲内か、動体センサーの検知範囲内に入った時しか居場所を掴めないからだ。

一応シャッターを閉めるなどしてエイリアの襲撃を防げるものの、完全にルートを遮断できるわけじゃない

なので、プレイヤーの采配が悪いとスタッフは1人、また1人と死んでいくことになる

アマンダ=プレイヤーに呪詛の言葉を吐きながら

自分の無力によって人を死なせ、呪詛を浴びながらただ見ているしかない。何もできないこの恐怖こそ、まさしく傍観者の恐怖!

アマンダ=プレイヤーも安全なわけじゃない!死の恐怖を味わえる

ちなみにアマンダは探索こそしないものの、1人安全地帯にいるというわけじゃない。

なので、完全に傍観者というわけではなく、エイリアンの襲撃によって死ぬこともある。

傍観者として被害者に同情していたら、い自分も…的な怖さが味わえるってわけ。

この辺り、本作はよくできているなーと感じた。

基本情報

タイトル

Alien: Blackout

デベロッパー

D3 Go!

配信会社

D3 Go!

対応ハード

iOS/Android

価格

【Alien】【サバイバルホラー】

この記事の作者

田中一広

ホラーゲーム作家。企画・シナリオ・グラフィック・楽曲・プログラムまでトータルでゲームを作る一方、ライターや講師としてゲームを伝える。もちろんゲーマーとして遊びもする人生ゲーム漬け野郎。妖怪博士。株式会社Wuah!地獄の代表取締役。

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