アイエエエ!電脳空間で繰り広げられる爽快なバトルとカオスな世界観が楽しいシューティング「AREA4643」

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うさん臭さの楽しさの話をしたい。言い換えるなら、カオス。混沌とした楽しさ。

今のゲームセンターってUFOキャッチャー・プリクラを中心に、オシャレで洗練されていると思うんだけど、昔のゲームセンターって、物凄くうさん臭かったと思うんだよ。

ファンタジー世界で魔物を倒すゲームがあれば戦闘機に乗って戦うゲームがあり、エイリアンぶっ殺すゲームがあるかと思えば、拳と拳でぶつかり合うケンカ的なゲームがあった。それからエロ麻雀。

混沌としていた。これアレこれこそまさに多様性じゃね?ってくらいのカオス。

1990年代のインターネットもそんなカオスな楽しさがあったし、2000年代初期のガラケーインターネットもカオスだったし、2009年ごろのスマホアプリもカオスだった。

これ、昔はよかったという話じゃなくて、あるジャンルが普及する時期っていうのは、新しいものが玉石混合状態、味噌もクソも入り混じってマキアートな熱気があるわけですよ。そういうの、楽しいじゃない?

で、今日はそんなカオティックな楽しさを持ったゲーム「AREA 4643」を紹介したいんですよ!

ココがWuah!「AREA 4643」の魅力は、混沌とした世界観

「Mother Russia Bleeds」は、見下ろし型の全方位シューティングゲーム。

ショットで敵を倒しながら突き進み、ボスを倒せばステージクリア…という、昔のゲームセンターのゲームをホーフツとさせる内容だ。

ビジュアルもドット絵で、レトロな雰囲気がある。

で。本作の魅力なんだけど、何が魅力かってえと、カオティックな設定にある。

何せ主人公は天狗の面をかぶった二丁拳銃のヤクザ天狗だし、敵はヤクザとかカニとかだし、回復アイテムは寿司

さらに、舞台は埼玉をはじめ、京都築地…と、およそゲームらしくないぶっ飛んだB級感がある。超カオスだ。

ココまで読んで「なんかニンジャスレイヤー」っぽいと思った人はアイエエエ!正解!

本作は「ニンジャスレイヤー」を執筆しているダイハードテイルズがパブリッシャーを務める作品で、「ニンジャスレイヤー」っと世界観・設定が共有されている。

なのでヤクザは「ザッケンナコラー!」なんて言いながら登場する。

「ニンジャスレイヤー」のトンデモ感が好きな人であれば、本作も好きになれるハズだ。

一方で、「ニンジャスレイヤー」を知らない人、「なんだファンアイテムか」なんて思わないで欲しい。

なぜなら本作のトンデモ間は、レトロなゲーセンに通じる部分があるのだ。

現在40代くらいで、青春時代にゲーセンに通った人間なら思い出せるだろう。あのころのゲームの設定を。

「何故か襲ってくるエイリアンをランボー風のキャラが倒す」だとか、「とにかくさらわれた彼女を救うため、敵をぶん殴って崩壊させる」だとか、「いきなり植木鉢が降ってくる」だとか、「いきなり牛が突進してくる」「いきなり仏像が立ち上がって攻撃してくる」だとか、そんなんばっかだったじゃない?

世界の伝説や伝承といったしっかりした設定に基づいて作るお行儀のよい最近のゲームとは、全然違ってた

本作は、そういったレトロゲーの雰囲気を味わえるのだ。

爽快!死亡しても速攻で生き返る!

ちなみに本作、設定や物語なんてお構いなく、ゲームとして見た場合でもおもしろい

全方位シューティングとしての見た目は「Hotline Miami」に近く、シンセウェイブ的デジタルミュージックも近い。

さらには、敵にやられたところで速攻リスタートできるというところも近いのだが、「Hotline Miami」のような死にゲーではない。

体力ゲージ制だし回復アイテムはソコソコ出るので、ガンガン死ぬゲームではないのだ。

また、「Hotline Miami」のように武器を手に入れないと既になってしまうということもなく、延々撃ち続けられるので、プレイ感そのものは弾幕シューティングゲームのようだ。

敵をガンガン破壊していく爽快感もまた、弾幕シューティングゲームに近い。

一方、ボス戦はなかなかテクニックを必要とする。その上ド派手!

ステージ1のダライアスを思わせるボス・鬼瓦ツェッペリン、ステージ2の新幹線など、はじめてプレイする際には驚きとともに、「立ち回り」を考える楽しさにハマるハズだ。

「ニンジャスレイヤー」ファンには断然オススメ、それ以外の人でも、レトロなアーケードゲーム好きであればオススメできるゲームだぜ。

基本情報

タイトル

AREA 4643

デベロッパー

DeathMofuMofu

配信会社

Diehardtales Games

対応ハード

PC

価格

Steam

【AREA4643】【バイオレンス】

この記事の作者

田中一広

ホラーゲーム作家。企画・シナリオ・グラフィック・楽曲・プログラムまでトータルでゲームを作る一方、ライターや講師としてゲームを伝える。もちろんゲーマーとして遊びもする人生ゲーム漬け野郎。妖怪博士。株式会社Wuah!地獄の代表取締役。

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