第一夜完結編-猫神の町の夜【夜探偵フクロウと謎解き暗夜】
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最終章・真相
この事件の犯人は、「根古上家お手伝い・犬山飯野(いぬやまいいの)」だった。
このダイイングメッセージを見てほしい。
確かにこの向きで見ると、数字の「5-6」にも読める。
けど、ちょうど数字の6側…つまりメッセージの右側が下に来るよう、時計回りに90°ひっくりかえしたらどうだろう?
こうすると、文字が「いーの」に見えるんだ。
つまりこのダイイングメッセージは、暗号でもなんでもなく、ストレートに犯人の名前を記したものなのさ。
…ところで犬山飯野(いぬやまいいの)の動機だけど、実は飯野は、「愛人の息子」である赤池志津也(あかいけしずや)の母だった。
つまり、殺された根古上佐平の愛人…内縁の妻ということ。
飯野は、根古上佐平が遺言書をしたためたことで、自分の子である赤池志津也ではなく、いよいよ根古上家長男・根古上佐京(ねこがみさきょう)に遺言が相続されるものと思い込んだ。なので、根古上佐平を殺し、遺言書の内容を書き換えようとしていたんだ。
けど、成功したのは根古上佐平を殺すところまで。遺言書を書き換えることはおろか、触れることすらできなかった。根古上佐平は厳重に保管していたからね。
しかも、飯野にとって誤算だったのは…、根古上佐平の遺言書の中には、遺産を猫神佐京と赤池志津也の二人で半分ずつ相続することと書かれていたことだ。
彼女は、疑心暗鬼という、闇に住む鬼に突き動かされてしまったんだね…。
…さて…、もうすぐ夜が明ける…。ボクの時間はここまで。また次回、お会いしよう。