第二夜完結編-狸の館の夜【夜探偵フクロウと謎解き暗夜】
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最終章・真相
この事件の犯人は、「編集者・田端 光彦(たばた みつひこ)」だった。
殺された作家、田貫林 寛太(たぬきばやし かんた)の書く作品の特徴は、名前に含まれる「タヌキ」という音にからめて、メッセージから「た」を抜くと正解が分かるという暗号だった。
彼はダイイングメッセージにもこの暗号と同じルールを使ったんだ。
すると、容疑者の内、「た」を抜いて「ば」だけになる名字の人間が一人だけいる。
そう…「編集者・田端 光彦(たばた みつひこ)」ただ一人。
…ところで、「編集者・田端 光彦(たばた みつひこ)」には婚約者がいてね。
田端 光彦の部下で、編集者をしていた。
「いた」と過去形なのにはわけがある。その婚約者は、亡くなってしまったんだ。
亡くなった理由は、田貫林が強引なセクハラを行い、それを苦にしての自殺…。
だから、田端は復讐した。
とはいえ、田端の行ったことは犯罪。この国の法律と警察は田端を許さないだろう。
けど、夜の闇に住む夜探偵としては、田端の肩を持ちたいね。
ボクはセクハラ狂いの狸親父にはお似合いの罰だったんじゃないかと思うよ。
「かちかち山」を見てごらんよ。昔から、ゲスな狸には罰がくだるものさ。
…さて…、もうすぐ夜が明ける…。ボクの時間はここまで。また次回、お会いしよう。