第六夜完結編-スズメのつづらが開く夜【夜探偵フクロウと謎解き暗夜】
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最終章・真相
宙舞 鈴女(そらまい すずめ)が遺した言葉は、「大きなつづらは大きな数字で、小さなつづらは小さな数字で開く」というもの。
そして残されていた数字は、「624915」と「715816」。
この2つの数字を組み替え、最も大きな数字と最も小さな数字を作ってみよう。
ひとつめの数字「624915」を組み替えてできる最も大きな数字は「965421」、最も小さな数字は「124569」。
ふたつめの数字「715816」を組み替えてできる最も大きな数字は「876511」、最も小さな数字は「115678」。
さて、最初に合った2つの数字を含めて、全部で6個の数字ができたわけだ。
このうち、最も大さな数字は、ひとつめの数字を組み替えた時にできる「965421」。
そして、最も小さな数字は、ふたつめのの数字を組み替えた時にできる「115678」だね。
…というわけで、大きなつづらを開くための大きな数字とは「965421」、小さなつづらを開けるための小さな数字とは「115678」さ。
実際にこの数字を使うことで、つづらは開いた。
中には何が入っていたのかというと…
…一枚の紙。
もちろん、単なる紙じゃないよ。稀代の奇術師と称された宙舞 鈴女(そらまい すずめ)の十八番、脱出トリックのタネが書かれた紙さ。
実は、暗号が仕掛けられた大きなつづらと小さなつづらは、彼女が脱出トリックに使っているものだった。
つまり、奇術師が自分の生涯を賭けた脱出トリック用の道具とタネを、彼女は遺したわけだ。
奇術師にとっては何より大事なものといえるだろう。
おそらく彼女は、暗号を解いた人間を後継者に…と考えてたんじゃないだろうか。
けど、残念ながら暗号を解き明かしたのはボクだった。
ボクは奇術師を引継ぐワケにはいかない。探偵という仕事があるからね。
なので、宙舞 鈴女(そらまい すずめ)記念館という施設を建設し、脱出トリック用の道具とタネは、記念館で保管することになったよ。
…えっ!? その脱出トリックのタネってのはどんなものだったかって?
それは…
…それは、闇の中にしておこうよ。下手に闇の底を覗かない方が、幸せでいられることもある。
奇術のようなエンターテインメントなんてのは、その最たるものさ。
…さて…、もうすぐ夜が明ける…。ボクの時間はここまで。また次回、お会いしよう。