その道で「止まれ」と言われても決して止まってはならない!肝試し感覚で楽しめるホラーノベルゲーム「止まれ」

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今じゃあノベルゲームってのは立派なゲームの一ジャンルとして成立しているが、その昔スーファミで「弟切草」が出た時には、「同じ金額で文庫本買った方がよくない?」なんて話が上がったもんだ。

まあ、新ジャンルのゲームが出る時ってのはそんなもんだよな。

おまけにスーファミのゲームは、一万円弱という価格帯が多かった。

リリースされるゲームの多くが無料ゲームという今では、ゲームは他の娯楽と比べて圧倒的に割安(※アホなレベルの課金をしない限り)だけど、当時は違ったわけだ。

とはいえ、「弟切草」はそんなネガティブな意見を跳ね飛ばすくらい面白いゲームだったし、ヒットもした。

今、ノベルゲームというジャンルがあるのは「弟切草」のおかげだ。これは多分、間違っていない。

今日紹介するのは、そんな「弟切草」の子孫と言える作品。「止まれ」だ。

ココがWuah!「止まれ」の怖さは、Jホラーの王道・肝試しの怖さ

「止まれ」は、心霊スポットとなっている廃道を舞台にしたホラーノベルゲーム。

この廃道を車で走っていると、後ろから「止まれ」と声をかけられる。

しかし、絶対に止まってはいけない

そんないわくつき心霊スポットをネットの掲示板で見つけた友人から聞かされた主人公。

もちろん、車で廃道へ向かうことになる。

さて、どんな結末が待っているのか…?というのが本作のストーリー。

Jホラーの王道、肝試しの怖さが味わえる作品だ。

ノベルゲームなので、基本的には画面に表示される文章を読み進めればOK。

ただ本作、ビジュアル表現がなかなか凝っている。

車で道を進む際のアニメーションだったり、一瞬の表情の変化だったりという細かなビジュアル演出を挿入してくれるのだ。

これと併せて、音声だけで行われる演出もあり、とても丁寧に作られた印象を受ける。

ノベルゲームなのでもちろん選択肢も用意されている。

もっとも中心になる選択肢は、もちろん怪談の核心になっている「止まるのか?止まらないのか?」という部分。

この選択肢のように、基本的に本作の選択肢は2択。

どちらを選ぶかによって物語の展開が変わる格好だ。

メッセージ表示が遅い?高速表示機能が欲しかった

プレイしていて個人的に気になったのが、メッセージの表示スピード

ストアのレビュー欄でも記載されていたが、本作はメッセージ表示が遅い

開発的には怖さを演出するため現在のメッセージ表示スピードにしたということだが、オレはこのスピードだと怖い以前にイライラしてしまう。

小説という媒体は、動画と違い、自分の読書スピードで読むのが基本。

なので、文字表示スピードが自分の読書スピードと違うとイライラしてしまうのだ。

もちろん、怖さを演出するという意図も分かる。

なので、オプションでメッセージ表示スピードを変更できるだとか、タップしている間のみ高速表示されるだとかいった機能が欲しいと感じた。

一方で、一度読んだメッセージのスキップ機能はついており、メッセージ表示スピード以外は快適にプレイすることができた。

先に書いた通り、演出が丁寧なので恐怖表現もなかなゾクッとさせてくれる。

この先さらに暑くなっていくことが予測されるので、涼しい思いをしたいならオススメできる一作だ。

基本情報

タイトル

止まれ

デベロッパー

(株)面白革命capsule+

配信会社

(株)面白革命capsule+

対応ハード

iOS/Android

価格

【止まれ】【ノベルゲーム】

この記事の作者

田中一広

ホラーゲーム作家。企画・シナリオ・グラフィック・楽曲・プログラムまでトータルでゲームを作る一方、ライターや講師としてゲームを伝える。もちろんゲーマーとして遊びもする人生ゲーム漬け野郎。妖怪博士。株式会社Wuah!地獄の代表取締役。

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