間違い電話【ぞくっ、とする怖い話】

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実話怪談を収集していると、中にはやや短めの逸話も存在する。

今回はそんな短めの逸話からひとつ紹介したい。

?さんが体験したという間違い電話の話。

ある日、?さんの元に電話がかかってきた。見覚えのない番号だったという。

?さんは携帯に登録されていない番号からの電話はとらないという主義だった。

?さんの元には身内以外電話をかけてこない。

だから、登録されていない番号からの電話は間違い電話だからとる必要がない。

そう考えていたためだという。

このため、その電話には出なかったそうだ。

ただ、その電話番号になんとなく見覚えがあるような気がした。だから、それから心に引っかかるようになった。

その電話番号からしばらく経ったある日。

仕事に必要な書類が見つからなくて、引き出しや押し入れなど、家の中を探していると、病院の診察券が出てきた。

今はもう使っていない、古い診察券。

使っていたのは?さんが子どものころだ。

そこでIさんは、気づいた。その診察券に、先日かかってきた電話番号が書かれていることを。

つまり、あの電話は、子どものころ通っていた病院からのものだった……?

それなら、何かちゃんとした用事があるのかもしれない。

そう思った?さんは、着信履歴から電話を折り返すことにした。

しかし、「この電話は既に使われていない」というアナウンスが流れたそうだ……。

?さんが調べてみたところ、数年前に、その病院は閉院していた。

火事になって全焼したためだという。

もちろん、使われなくなった電話番号が別の契約者へと割り当てられることはある。

しかし、?さんが調べた限りでは、別の人間や業者がその電話番号を使った形跡はなかったそうだ。

なんとなく不気味に思った?さんは、それ以上の深入りは避けたという。

【怪談】【怖い話】

この記事の作者

田中一広

ホラーゲーム作家。企画・シナリオ・グラフィック・楽曲・プログラムまでトータルでゲームを作る一方、ライターや講師としてゲームを伝える。もちろんゲーマーとして遊びもする人生ゲーム漬け野郎。妖怪博士。株式会社Wuah!地獄の代表取締役。

この記事が含まれるコーナー

ぞくっ、とする怖い話

それは、誰かが体験した物語。
背中がぞくっとする、本当にあった怖い話…。

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