お経【ぞくっ、とする怖い話】

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実話怪談を収集していると、中にはやや短めの逸話も存在する。

今回はそんな短めの逸話からひとつ紹介したい。

Nさんが部活の合宿をした時のこと。

張り切りすぎてしまったためか、Nさんは体調を崩し、寝込んでしまった。

しばらく深い眠りについていたようだが、やがてNさんは自分の眠りが浅くなっていることに気づいた。

物音を感じる。

Nさんはうっすらと目を開けた。

すると、目の前に誰かがいる。

部活のメンバーじゃない。

着物を着た老婆。

老婆が座って、Nさんのことをじっと見つめている。

この老婆は医者か看護士で、看護してくれているんだろうか……。

Nさんは一瞬、そう考えたが、即座にその考えを振り払った。

Nさんのことを見つめる老婆の目から、「怒り」の感情を感じたからだ。

怖くなったNさんは目を開けていられず、思い切り目をつぶった。

すると、Nさんの体が揺すられ始めた。

物凄い力で強引に揺すられ、Nさんは思わず目を開けた。

するとそこには……心配そうな顔でNさんを見る部活のメンバーたちの姿。

話を聞いたところ、Nさんは大きな声で叫ぶようにお経を唱えていたそうだ。

【怪談】【怖い話】

この記事の作者

田中一広

ホラーゲーム作家。企画・シナリオ・グラフィック・楽曲・プログラムまでトータルでゲームを作る一方、ライターや講師としてゲームを伝える。もちろんゲーマーとして遊びもする人生ゲーム漬け野郎。妖怪博士。株式会社Wuah!地獄の代表取締役。

この記事が含まれるコーナー

ぞくっ、とする怖い話

それは、誰かが体験した物語。
背中がぞくっとする、本当にあった怖い話…。

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