友人の帰宅【ぞくっ、とする怖い話】

[投稿日:

Tさんの話。

その日、Tさんは友人の家で遊んでいた。

……といっても何をするでもなく、ゴロゴロとしていただけだという。

すると、友人がバイトに出かけると言って準備を始めた。

非常に親しい友人だったので、Tさんはそのまま友人の家で帰りを待つことに。

友人を見送ると、再びTさんは横になりかけた…。

その時、友人が家に戻ってきた。

忘れ物でもしたかな…と思ってTさんは気にも留めなかったという。

そのまま、友人のことを気にすることなく時間は過ぎ…やがて、夜になった。

すると、友人が家に帰ってきた。

「お帰り。忘れ物、大丈夫だったの…?」

友人にそう声をかけると、

友人は怪訝な顔をしてこう言った。

「え…。俺、家に一度も帰ってきてないじゃん?」

「いや…一度帰ってこなかった?」

「一度も帰ってきてないってば…」

しかし確かにTさんは、友人が一度帰ってきたのを見ているそうだ。

「なんとなく怖いですよね…」

…そう、Tさんは言っている。

【怪談】【怖い話】

この記事の作者

田中一広

ホラーゲーム作家。企画・シナリオ・グラフィック・楽曲・プログラムまでトータルでゲームを作る一方、ライターや講師としてゲームを伝える。もちろんゲーマーとして遊びもする人生ゲーム漬け野郎。妖怪博士。株式会社Wuah!地獄の代表取締役。

この記事が含まれるコーナー

ぞくっ、とする怖い話

それは、誰かが体験した物語。
背中がぞくっとする、本当にあった怖い話…。

この記事の関連記事

メールの返事

[Posted:]

「見えているのか」

[Posted:]

赤い布団

[Posted:]

百物語

[Posted:]

上に戻る