ダークファンタジー的な世界観を舞台にしたメトロヴァニアスタイルの傑作アクションRPG「Grimvalor」

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知らないということは不安で、怖いということ。誰だって未知のことは怖い。

そんな未知の恐怖をしこたま描いてブルブルさせることもホラーの魅力ながら、未知の恐怖を乗り越える達成感もまた、ホラーの魅力だと思う。

そんな、未知の恐怖を乗り越える要素をゲーム化したジャンルが、メトロヴァニアスタイル

任天堂のSFアクション「メトロイド」が生み出したこのスタイルは、未知の空間を探索し、アイテムを手に入れることで主人公の能力が増強。増強された能力を使うことで、新たなルートが開拓されるというスタイルだ。

探索することで未知の空間が既知の空間になった時、主人公の能力が増強。心理的にもゲーム内的にも、恐れはなくなる。

しかし、また新たなルートが切り開かれることで、再び未知の空間が広がる…という流れになっている。

このメトロヴァニアスタイル、最近ではコンシューマーゲームの「BIOHAZARD RE:2」がホラーゲームとしても高いクオリティで実現して見せた。

一方で、スマホゲーに限定するとあまり見られないスタイルでもある。

恐らくスマホゲーで主流のガチャ課金や対戦型といったスタイルに、探索して強化するというスタイルが合わないからだろう。

しかし、ないわけじゃない。

たとえば、今回する「Grimvalor」はスマホ向けのメトロヴァニアスタイルゲーム。しかも傑作だ。

ココがWuah!「Grimvalor」の魅力は、ダークなファンタジー世界の魅力

「Grimvalor」はダークファンタジー世界を舞台にしたメトロヴァニアスタイルのアクションRPG。

今ではその存在が忘れ去られた国から、モンスターが他の国へ溢れ出すという事態が発生する。

この原因を究明するため、王の命により調査隊がその地、バラリス王国へと派遣。

しかしバラリス王国はモンスターの巣窟と化しており、多くの調査隊員が命を落とすことになる。

プレイヤー=主人公も、この調査隊として派遣された人間の一人だ。

「ダークソウル」や「ディアブロ」といったダークファンタジー的なストーリー。

ビジュアルもダークで、ダンジョンの持つ不気味さがよく伝わってくる。

モンスター達のビジュアルももちろん不気味さをまとった、いかにもダークファンタジー的容姿。

ただ難易度はそれほど高いわけじゃない。

モンスター達の挙動が分かれば…そしてレベルアップをきちんと行えば、難なく倒すことができるだろう。

なので、モンスターと出会って「うわ怖え!」というようなホラー性はない。

本作の魅力はあくまでダークファンタジー的な世界観を舞台にした探索&アクションであって、怖さではないのだ。

中毒になるほど快適なアクションと探索性

本作の魅力である探索&アクションを支えているのが、本作の操作性だ。

仮想パッドを使った操作で、パッドで左右の移動、ボタンでジャンプ、ダッシュ、攻撃を行う。

この中で、本作のアクションの要になるのがダッシュだ。

敵の攻撃を回避したり、一瞬で敵に近づいて隙を突いたりといった使い方の他に、空中ダッシュとしても使える。

このダッシュを活用しなければ到達できない地形もあり、アクションそのものが探索の要になっているわけだ。

スマートフォンはタッチパネルでの操作になるため、ボタンを物理的に押している感覚がない。

なので慣れるまでは操作ミスも発生するだろうが、一度慣れてしまえばキャラクターを自在に操作できるだろう。

それくらいレスポンスよくキビキビ動いてくれる。

非常に軽快な操作感

この操作感があるからアクションのタイミングに失敗してもイライラしないし、何より探索することそのものが面白く感じられる。

メトロヴァニアスタイルとして肝心の探索性も、よくできている。

未開拓のマップを開拓していくと、要所要所にワープ用のポータルが開かれるため、遠く離れた距離をいちいち移動する必要がないなど、探索のドキドキ感と快適性をきちんと両立。

普段スマホゲームをプレイしないという人でも、メトロヴァニアスタイルのゲームが好きなのであればオススメできる、完成度の高い作品だ。

基本情報

タイトル

Grimvalor

デベロッパー

Direlight

配信会社

Direlight

対応ハード

iOS

価格

【Grimvalor】

この記事の作者

田中一広

ホラーゲーム作家。企画・シナリオ・グラフィック・楽曲・プログラムまでトータルでゲームを作る一方、ライターや講師としてゲームを伝える。もちろんゲーマーとして遊びもする人生ゲーム漬け野郎。妖怪博士。株式会社Wuah!地獄の代表取締役。

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