死ぬためにプレイしている?サイコパスから子どもを救うステルスサバイバルホラー「2Dark」

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3Dでホラーゲームを作るという試みは、「バイオハザード」シリーズが元祖のように思われるが、そうではない

実は元祖と思われているその「バイオハザード」ですら参考にした3Dホラーアドベンチャーゲームがある。「アローン・イン・ザ・ダーク」という作品だ。

「アローン・イン・ザ・ダーク」は3Dで描かれた館の中を探索するホラーゲームで、「バイオハザード」の原型といえる作品。

出てくるクリーチャーはゾンビではなく、クトゥルフ神話の異形の怪物たちだ。

で、今回はそんな「アローン・イン・ザ・ダーク」を紹介するのかというと、そうではない。

今回紹介するのは「アローン・イン・ザ・ダークの作者が制作したサバイバルホラー「2Dark」だ。

ココがWuah!「2Dark」の怖さは、圧倒的な闇と死

「2Dark」は、かつて自分の妻を殺され、さらに子どもが誘拐された男・スミスとなって児童誘拐事件解決を目指すステルス・アクションアドベンチャーだ。

「かつて」と書いた通り、スミスの子どもが誘拐されたのは、ゲームの舞台となる時間軸の7年も前。

つまり、スミスが捜査する児童誘拐事件というのは、直接的には自分の子どもが誘拐された事件ではないのだ。

これが本作が持つ恐怖に繋がっている。

本作の持つ恐怖のひとつは、圧倒的な闇。…といっても、ビジュアル的な暗がりのことじゃない。ライターや懐中電灯の光で暗いマップを探索する場面もあるが、そのことを言いたいわけじゃない。

たとえば、スミスが捜査に臨む動機

彼は7年もの時を隔ててなお、事件のことが忘れられず、何かの手掛かりに繋がるのではないかと思い、直接的には関係のない誘拐事件の捜査を始める。しかも一般人なので、自分勝手に。

とてもやるせない、憂鬱とした気分になる設定だ。

さらには、舞台となる街・グルーミーウッドでは、それだけ多くの児童誘拐事件が発生しているということでもある。

つまり、圧倒的な闇を感じさせる設定なのだ。

また、ビジュアル的なおぞましさも、闇を感じさせる点。

本作のビジュアルは、「ドラゴンクエスト」などの見下ろし型のドット絵RPGに近い見た目だ。

実際にはドット絵ではなく、3Dのキューブを組み合わせてドット絵的に見せているのだが、ディフォルメされたデザインもあいまって、2Dドット絵ゲームのように見える。ある種のキュートさすら感じさせる。

しかしそこで描かれる描写は凄惨だ。

ドット絵的でソフトな表現だからこそ、遠慮のない描写ができたのだろう。あるいは、遠慮のない描写をするために、あえてドット絵的な表現を選んだのかもしれない。

ともかく、設定的にもビジュアル的にも、本作は鬱々として、底知れない闇を感じさせてくれる。

「2Dark」とタイトル通り、まさしく闇へ向かっていく気分にさせられる。

そして、本作の持つ恐怖の2つめが、圧倒的な

本作は間違いなく死にゲーと呼ばれるジャンルのゲームだ。

敵と戦って死ぬのはもちろんのこと、マップのそこここにトラップが仕掛けられており、しかもそれが一撃で死をもたらす。

突然トラップに引っかかるショッキングさも相まって、非常に怖い。

死ぬと表示されるのは「2Dead」という言葉。

繰り返し繰り返しこの言葉を見せられると、「To Dead」…死ぬためにプレイしているかのように錯覚してしまう。

必要な操作はタップだけ!シンプルにプレイ可能

ゲームシステム的には、探索に加えて、ステルス要素が強く表現されている。

スミスは一般人なので、装備は貧弱で身体的にも強くない。

銃やバールといった武器を使って敵を殺して進むこともできるが、基本的には敵にバレないよう、隠れて行動する必要があるのだ。

このステルスアクションに加えて、子どもの誘導要素が特徴的。

スミスは児童誘拐事件を追っているため、探索中に誘拐された子どもたちと遭遇する。

遭遇した子どもたちを出口まで誘導。安全を確保してやる必要がある。

子どもたちは声をかけたり飴をあげたりして誘導するほか、敵の目に留まらぬよう、一旦静止させる必要がある。

自分のキャラが敵の目に留まらぬよう行動するだけでもスリリングだが、そこに子どもが加わると、さらにスリリングだ。

基本情報

タイトル

2Dark

デベロッパー

Gloomywood

配信会社

Bigben Interactive

対応ハード

PC/PS4

価格

Steam

2,480円

PS4

3,780円

【2Dark】【コンシューマーゲーム】【サバイバルホラー】【ステルス】

この記事の作者

田中一広

ホラーゲーム作家。企画・シナリオ・グラフィック・楽曲・プログラムまでトータルでゲームを作る一方、ライターや講師としてゲームを伝える。もちろんゲーマーとして遊びもする人生ゲーム漬け野郎。妖怪博士。株式会社Wuah!地獄の代表取締役。

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